妊娠中、切迫早産になってしまった場合、管理入院という対処方法があります。切迫早産の入院とは、どのようなものなのでしょうか?
ここでは、切迫早産の入院について、どんな時に必要か、どのようにして過ごすのかを、ご紹介していきます。また、実際に切迫早産で入院したことがある私自身の体験もお伝えしていきます。
切迫早産とは?どんな時に入院が必要?
切迫早産とは、早産が切迫している状態のことです。早産が確定しているわけではありませんが、もしかしたら早産になるかもしれません。
早産とは、妊娠22週0日から妊娠36週6日の間に出産をすることを言います。この期間の出産は、赤ちゃんの身体的機能が未熟であることが多いと言われています。そのため、出産時やその後に何らかのトラブルに見舞われるかもしれません。
このように早産には様々な危険が伴うため、早い段階で切迫早産の診断を下して、早産になるのを防ぐことが求められます。
切迫早産になったら、自宅安静と管理入院の2つの内、どちらかの対処をする必要があるでしょう。ここでは、管理入院について、詳しくご紹介していきます。
- 自宅安静
- 管理入院
管理入院では、入院して24時間ベッド上安静を続ける必要があります。これは、自宅安静では難しいくらい早産が切迫している時に下される判断です。
病院によって異なりますが、お腹の張りが定期的にあることや子宮頚管の長さが25mm未満であることなどが判断基準です。管理入院では、お腹の張りを抑える薬を服用するか、点滴によって直接体内に注入するかどちらかを行います。

安静度は個人や病院によって異なります。例えば、院内の歩行が認められる人、シャワーやトイレなど最低限の行動に留める必要がある人、ベッドから全く起き上がってはいけない人などがいます。いずれも、医師の指示に従い安静にしましょう。
妊娠中は、できるだけ切迫早産にならないようにしたいものです。しかし、切迫早産はいつ誰に起こるか分かりません。
実際になってみないと、大変さや辛さが理解しづらくもあります。切迫早産の入院について、どのようなものなのか、事前に知っておくようにしてもよいと言えます。

切迫早産入院の種類
切迫早産入院には、その切迫度によって入院生活の様子が様々です。ここでは、主な入院生活の中身について簡単にご紹介します。
安静度
切迫早産入院では、できるだけ安静を保つことが求められます。安静度合いは、早産の切迫度によって異なります。判断基準はお腹の張りや子宮頚管の長さです。
切迫度合いが比較的低い場合は、院内歩行が可能です。トイレやシャワーに行くことも可能です。しかし、あまり歩き回ってはいけません。あくまで、ベッド上安静が基本の生活になります。
切迫度合いが比較的高い場合は、歩行が禁止されます。トイレやシャワーのみ可能な場合や、トイレのみ可能な場合、トイレもシャワーも不可の場合などがあります。
さらに、ベッド上でも安静にしておく必要があります。ベッドを起こして上体を上げることは勧められません。つまり、座ることもできないのです。また、仰向けで寝ているとお腹が張りやすくなるため、横向きで寝ることが勧められます。
安静度が高い場合、ベッドでの生活にも制限が及ぶため、できることが限られます。例えば、本を読む、パソコンをする、ものを書くなど、上体を起こして行う行為が困難になります。
このように、切迫早産入院には、その切迫度によって求められる安静度が様々です。多くは、一度入院すると生産期まで退院することは困難です。
また、子宮頚管の見た目上の長さが改善することはあっても、切迫早産そのものが改善することはあまりありません。安静度は、軽くなることより、重くなっていくことの方が多いと言えます。

対処方法
切迫早産入院では、症状が進行しないように様々な対処方法が取られます。対処方法は、早産の切迫度によって異なります。判断基準はお腹の張りや子宮頚管の長さです。
切迫度合いが比較的低い場合は、お腹の張りを抑える薬を服用します。「ウテメリン」や「リトドリン」と呼ばれるものがよく使用されるようです。
毎食後服用で1日3回、それに加えて寝る前に服用することで1日4回、飲むことが多くなっています。こうすることで、常にお腹が張らないように抑制していきます。
飲み薬には個人差はありますが、副作用があります。例えば、吐き気や手先の震え、動悸などです。内服薬は、後にご紹介する点滴よりは、即効性がなく効きが穏やかです。
副作用については個人差があるため、一概に内服薬の方が軽いとは言い切れませんが、点滴よりも内服薬の方が楽であることが多いです。内服薬は点滴に比べ、身体の自由が利くため、できるだけ内服薬でお腹の張りを抑えた方が良いでしょう。

切迫度合いが比較的高い場合は、お腹の張りを抑えるために点滴をします。「ウテメリン」や「リトドリン」を直接体内に投与するのです。
点滴は、24時間身体に刺さったままです。こうすることで、常にお腹が張らないように抑制していきます。
点滴にも個人差はありますが、副作用が存在します。飲み薬と同じく、吐き気や手先の震え、動悸などが多いようです。点滴は、内服薬に比べ、即効性があり効きが強めです。副作用については個人差があるため、一概に内服薬の方が軽いとは言い切れませんが、内服薬よりも点滴の方が辛いことが多いです。
さらに点滴は、24時間身体に刺さっていることから、身動きが自由に取れないため不便です。その他にも、定期的な差し替えが必要なこともあり、点滴による対処には辛いことが多いものです。差し替えの頻度は病院によって異なりますが、私の場合は、3日に一度の頻度でした。

切迫早産ではこのように、その切迫度合いによって様々な対処方法があります。さらに、ここで紹介したもの以外にもあるので、参考程度にとどめておいてください。
切迫早産で入院!体験談
ここまで、切迫早産の入院について基本的なことをご紹介してきました。ここからは、実際に切迫早産で入院した私自身の体験談をご紹介します。
私は、妊娠26週の終わりから妊娠36週までの約2か月間、ベッド上安静の入院をしていました。子宮頚管の長さは28mmと短くはありませんでしたが、定期的なお腹の張りがあったためです。お腹の張りはNSTで、約5分間隔とでる時もありました。
24時間リトドリン点滴を行い、お腹の張りを抑えていました。安静度はそこまで高くなく、トイレやシャワーができました。しかし、それ以外は極力動かないよう医師から指示がありました。
私の通っていた産院では、子宮頚管長が25mm未満になると入院とされていました。しかし私の場合、子宮頚管長は28mmでしたが定期的なお腹の張りがあったため、担当の医師から「入院するかどうか」選択を迫られました。私は、「入院した方がより安心」という担当医の勧めもあって、自ら入院を希望したのです。
このように、切迫早産は個人によって症状が異なるため、対処方法も違います。また、病院や医師によって入院判断の基準も違います。ネットなど一部の情報のみにとらわれず、目の前の医師としっかり話した上で自己の状態を把握し、場合によって入院を選択することが重要です。
なお、より詳しい入院の体験談は、下記の別記事にまとめています。是非そちらもご覧いただければ幸いです。


まとめ
ここまで、切迫早産の入院について、基本的なことや体験談をご紹介してきました。切迫早産は、症状や対処法が個人や病院、医師によって異なります。そのため、目の前の医師としっかり意思疎通を行い、納得のうえ、場合により入院を選択することをお勧めします。
- 管理入院では、入院して24時間ベッド上安静を続ける必要がある
- 入院中は、張り止めの薬を服用したり点滴したりして、対処する
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