子宮筋腫は、比較的多くの女性が持っている腫瘍です。子宮筋腫と妊娠出産との関係はどのようなものなのでしょうか?大きさはどのように関係するのでしょうか?ここでは、子宮筋腫の大きさと妊娠出産との関係について、私自身の体験談を交えながらご紹介していきます。
子宮筋腫とは?種類や治療法、大きさについて
子宮筋腫とは、子宮にできる良性の腫瘍のことです。女性の約20%が子宮筋腫を持っていると言われています。子宮筋腫について詳しく見ていきましょう。
子宮筋腫の種類
子宮筋腫は、そのできる位置によって、粘膜下筋腫・筋層内筋腫・漿膜下筋腫の3つの種類に分けられます。
- 粘膜下筋腫
- 筋層内筋腫
- 漿膜下筋腫
粘膜下筋腫とは、子宮の内側にできるものです。不正出血などの原因になることがあり、多くの場合は手術が勧められます。
筋層内筋腫は、子宮の筋肉の中にできるものです。こちらは、子宮筋腫の内の多くを占めると言われています。小さいものは、身体に悪い影響を及ぼすことが比較的少なくなっています。
漿膜下筋腫(しょうまくかきんしゅ)は、子宮の外側にできるものです。こちらは、比較的自覚症状が少なく、気が付きにくい筋腫と言われています。
このように子宮筋腫は、子宮にできる腫瘍です。そのため筋腫があると、不正出血や月経過多、月経痛、貧血、妊娠しにくい、流産しやすい、などの症状が伴うこともあります。筋腫が小さい内は気が付かないことも多く、「健診などで指摘されて初めて知った」という人も少なくありません。もしも気になる症状があれば、婦人科を受診してみるのも良いかもしれません。
子宮筋腫の治療法
子宮筋腫の治療法は、大きく分けて「薬物療法」と「手術療法」があります。また、子宮筋腫が小さく、症状があまり出ない場合は、「経過観察」となることも多くあります。どのような治療を行っていくかは、いずれも、筋腫の大きさ・場所・数・年齢等によって検討されます。大きさの目安として、約5cm以上であれば、治療が検討されることがあります。
- 薬物療法
- 手術療法
- 経過観察
治療法の1つ目は、薬物療法です。薬物療法は、薬によって子宮筋腫を小さくしたり、症状を和らげたりすることができます。
治療法の2つ目は、手術療法です。手術にはさらに2通りの方法があり、子宮全摘出または筋腫除去が選ばれます。妊娠、出産を希望する場合、筋腫除去が選ばれます。筋腫除去には、腹腔鏡手術が選択されることが多いそうです。
このように、子宮筋腫にはいくつかの治療法があります。医師と相談の上、納得のいく選択をしてください。
子宮筋腫発覚時の体験談
ここまで、子宮筋腫の基礎知識をご紹介してきました。ここでは、私自身の実体験をご紹介します。私は、子宮筋腫が発覚した後、無事に妊娠出産を経験することが出来ました。
子宮筋腫が発覚したきっかけは、腹痛です。ある日、生理でもないのに突然、生理痛のような痛みが一日中続いたのです。痛みの程度は、生理痛と大差がなくあまり強くありませんでした。しかし、生理痛とは異なり、夜も痛みが続いていました。不審に思った私は翌日、婦人科を受診しました。
エコー検査でわかったのは、約2cmの子宮筋腫があるということでした。痛みは2、3日で無くなり、以降は再び痛むこともありませんでした。その時は筋腫の大きさが小さかったため、経過観察となりました。
私は当時、まだ結婚前で妊娠出産を考えていませんでした。しかし、受診した婦人科で、子宮筋腫があると将来、妊娠出産でリスクが出てくるかもしれないと説明を受けました。具体的には、子宮筋腫が着床の邪魔をするために起こる、不妊・不育などです。子宮筋腫は将来的に大きくなる可能性があるため、小さい内に妊娠出産をするに越したことはないとのことでした。
それまでの私は、妊娠出産について深く考えておらず、「いつか自分も子供を持つのだろうな」と漠然と考えていました。しかし子宮筋腫の発覚によって、この考えが大きく変わったのです。子どもを持つということは、当たり前のことではないと、痛感しました。
それから私は、結婚後すぐに妊活を始めます。けれども、なかなか授かることができなかったため、婦人科を受診ます。その結果、子宮筋腫とは異なる原因によって、「子どもができにくい身体」であることを知ります。
子宮筋腫がなければ、妊娠や出産について深く考えることがなかったでしょう。また、妊活中に不妊症を疑ってすぐに婦人科を受診することもなかったかもしれません。その後は不妊治療の末、無事に妊娠、出産を経験することができました。このあたりについては、別記事にまとめるようにしています。

私の場合、子宮筋腫が小さかったため、妊娠や出産、生理に大きな影響はありませんでした。このことから、子宮筋腫があっても、手術などの治療を行わずに普通の生活が送れることもあると言えます。
子宮筋腫は妊娠出産に影響する?
子宮筋腫は、大きさや場所によって、妊娠出産に影響を及ぼす可能性もあります。大きさが約5cm以上であれば、何らかの治療が検討されるかもしれません。しかし、子宮筋腫があるからと言って、必ずしも妊娠出産ができないとは言えません。大きさや場所によって、主治医と相談のうえ、方針を決めるようにしましょう。
妊娠出産を希望する場合、少しでも妊娠の確率を上げるため、子宮筋腫を取り除く決断をすることもあります。100%妊娠ができる、妊娠の確率が必ず上がる、ということはありません。しかし、子宮筋腫を除去することは気持ちの面においても、妊活にプラスになるかもしれないのです。とは言え、リスクが全くないというわけにはいきません。子宮筋腫を除去するかどうかの決断は、リスクをしっかりと確認した上で慎重に下すことをお勧めします。
まとめ
ここまで、子宮筋腫について、基礎知識や体験談をご紹介してきました。子宮筋腫があっても、妊娠出産をすることはできます。大きさや場所によって婦人科を受診し治療を検討していきましょう。
- 子宮筋腫とは、子宮にできる良性の腫瘍のこと
- 対処には、薬物療法、手術療法、経過観察が用いられる
- 子宮筋腫は、大きさや場所によって、妊娠出産に影響を及ぼす可能性がある