出産前後

新生児仮死、低酸素虚血性脳症で出産の体験談

出産時のトラブルで、赤ちゃんが新生児仮死状態で生まれることがあります。新生児仮死で、低酸素虚血性脳症であると言われることもあります。ここでは、実際に我が子が新生児仮死状態で生まれ、低酸素虚血性脳症であると言われた、私自身の経験をお伝えしていきます。

新生児仮死とは?低酸素虚血性脳症とは?

まずは、新生児仮死や低酸素虚血性脳症について、基本的なことをご説明していきます。

新生児仮死とは?

新生児仮死とは、生まれた時に正常な呼吸が出来ない状態のことです。赤ちゃんは生まれてすぐ泣くイメージがありますが、実際はすぐに泣かないこともあります。新生児仮死状態では、赤ちゃんはぐったりして肌の色が悪くなります。

新生児仮死には軽度から重度まで異なった度合いがあります。生まれてすぐ、のどや気管の羊水を吸って呼吸を促すことで泣き出す赤ちゃんもいれば、さらに酸素吸入が必要な赤ちゃんもいます。その後の様子によって、点滴を投与しながら酸素吸入を続けます。それでも、重い新生児仮死の場合は、赤ちゃんが亡くなったり、脳へのダメージによって障害が残ったりする可能性があります。

低酸素虚血性脳症とは?

重い新生児仮死の場合、低酸素虚血性脳症という病名がつくことがあります。上手く呼吸が出来なかった時間が長いということは、脳に十分な酸素がいきわたらなかった時間があるということです。それにより、脳へ何らかのダメージが残ることがあるのです。低酸素虚血性脳症は、このような時に言われることが多い病名です。

低酸素虚血性脳症の場合、何らかの後遺症が残る場合があります。後遺症の内容は、脳の損傷場所や度合いにより異なります。身体の震えや麻痺など運動面、言葉の遅れなどの知能面、どちらにも可能性があるということです。これらは、赤ちゃんの脳波検査や脳のMRI検査を行うことによって検知できます。しかし、赤ちゃんの発達は未知数であることが多く、全ての障害を予見することはできません。検査の結果異常が見つかっても何も症状が出ないことや、反対に、検査の結果異常が見つからなくても何らかの症状が出ることがあるのです。そのため、新生児仮死で生まれて脳へのダメージが疑われる場合、赤ちゃんの発達を定期的に見守り、異常がないか確認することになります。

このような後遺症を少しでも抑えるために、低体温療法と呼ばれる治療が行われることが多くなっています。これは、赤ちゃんの体温を一定時間、下げる治療法です。脳への追加のダメージを止めるための処置で、必ずしも後遺症を防げるというわけではありません。また、低体温療法を行うかどうかは、医師の判断によります。一定の基準があるため、治療を行わないこともあります。

低体温療法では、一定時間、赤ちゃんの体温を下げ、その後、ゆっくりと元の体温に戻していきます。体温を下げている最中は、赤ちゃんが動かないように薬で眠ってもらうことになります。

以上のように、新生児仮死状態で誕生した赤ちゃんには、様々なリスクが伴います。低酸素虚血性脳症になってしまった場合は、後遺症が残るかもしれません。低体温療法などの治療を行い、赤ちゃんの予後を見守っていくことになります。

新生児仮死、低酸素虚血性脳症で出産の体験談

ここまで、新生児仮死や低酸素虚血性脳症の基本的な知識についてご紹介してきました。ここからは、実際に我が子が新生児仮死状態で誕生し、低酸素虚血性脳症であると診断を受けた、私自身の体験談をお伝えしていきます。

私のお産は、妊娠37週2日の朝、自宅での破水から始まりました。すぐに病院に行って、そこで自然に陣痛が始まるのを待つことになります。NSTをつけたところ、まだ本陣痛は始まっておらず、赤ちゃんの心拍は通常通り元気でした。

破水しているため感染症の恐れがあることから、24時間の間に本陣痛が開始しなければ、陣痛促進剤を投与することの説明を受けました。実際、その時点では陣痛らしきものを全く感じていなかった私は、「まだまだかかりそうだな」とのんきに構えます。

病院についてから2時間30分、破水してから4時間が経過した頃でした。突然、強い陣痛が始まったのです。間隔は最初から2~3分おき、痛みも非常に強いものでした。ナースコールで助産師さんを呼び、陣痛を数回耐えていると、今度は赤ちゃんが出てくる感じがあるのです。強い力で押し出す感覚があり、それを押し返すのに必死でした。助産師さんに診てもらうと、既に赤ちゃんは出かかっているそうです。分娩室に移動する間もなく、そのままベッドで出産することになりました。

陣痛開始から約20分、赤ちゃんが誕生します。産声は上げず、全身が細かく震えていました。私自身の意識ももうろうとしていたのではっきりとは見られませんでしたが、肌の色も悪かったように思います。へその緒を切ってすぐに、赤ちゃんは蘇生措置を施されました。

医師の話によると、酸素を送って約15分後に自発呼吸を始めたとのことです。生まれた時の様子や蘇生にかかった時間などから、脳へのダメージが疑われると説明を受けます。その産院ではNICUがなかったため、赤ちゃんのみ総合病院へ搬送となりました。

診断は、新生児仮死、さらに低酸素虚血性脳症ということでした。これ以上脳へのダメージを増やすことのないよう、すぐに治療を始めることになりました。治療は、低体温療法が用いられます。

赤ちゃんの体温を下げ始めたのは、おそらく出産から約5時間経った時点からでした。体温は34度に保たれ、それを72時間の間続けていくとのことでした。その間は赤ちゃんが動かないように眠らせる薬を打つと説明を受けました。その他にも、様々な機械から出た管が、赤ちゃんの小さな体に繋がっています。

私が赤ちゃんに面会したのが、出産翌日の昼です。赤ちゃんは全く動きませんでしたが、胸だけは小さく上下していて、懸命に呼吸をしているのが伺えました。最もショッキングだったのが、口に入ったチューブです。ここから酸素を送っているようでした。医師の話によれば、この口のチューブを抜くことができるかどうかが、まず1つ目のハードルだそうです。

低体温療法中の我が子の写真我が子の場合、口のチューブが抜けたのが、体温を上げた後すぐのことでした。しかし、体温を上げてもなかなか目を覚ましません。医師の説明によると、鎮痛剤の効きが赤ちゃんによって異なるとのことでした。我が子の場合、体温を上げて3日経つ頃に、やっと手足を動かすようになりました。最初は体力がなく、ミルクもなかなか飲めませんでした。しかし、日を追うごとに着実に回復していきます。

その後、脳波と脳MRIの検査を行いました。結果は、異常なしということです。我が子は奇跡的に、異常なしでNICUを退院することができたのです。しかし、油断は禁物です。医師の説明では、今後いかなる障害も起こり得るとのことでした。成長の途中で、新たな後遺症が発言する可能性あるのです。それだけ、赤ちゃんの脳は未知数であるとのことでした。そのため、定期的に発達の様子をチェックしてもらいに、病院を受診しています。

まとめ

ここまで、新生児仮死と低酸素虚血性脳症について、基礎知識や体験談をお伝えしてきました。症状や治療、予後の様子はそれぞれ赤ちゃんによって異なります。しかしそれでも、この記事がお役に立つならば、と思い執筆しました。

このような想いから、当ブログでは、我が子の今後の発育についても、随時更新していきたいと考えています。

  • 新生児仮死状態で生まれた場合、低酸素虚血性脳症になることもある
  • 低酸素虚血性脳症の場合、後遺症が残るかもしれない