赤ちゃんを育てるにあたって、ミルクまたは母乳のどちらかを与える方法、ミルクと母乳の両方を与える方法があります。それぞれに違ったメリットやデメリットがあります。ここでは、ミルク・混合・母乳育児の全てを経験した私自身の体験談を、メリットやデメリットなどと共にお伝えしていきます。
赤ちゃんのミルク・混合・母乳育児の特徴
まずはそれぞれのメリットとデメリットを、ミルク・混合・母乳の順にみていきましょう。
ミルク育児のメリットとデメリット
ミルク育児のメリットは、他の人の育児参加機会が増えること、腹持ちが良いこと、栄養がまんべんなく取れること、卒乳がスムーズになる傾向があること、外出時のミルク場所を迷わなくて済むことの5点です。
- 他の人の育児参加機会が増えること
- 腹持ちが良いこと
- 栄養がまんべんなく取れること
- 卒乳がスムーズになる傾向があること
- 外出時のミルク場所を迷わなくて済むこと
1点目は、他の人の育児参加機会が増えることです。ママがあげるしかない母乳と比較して、ミルクは、パパでもあげることができます。哺乳瓶の洗浄、消毒や調乳など、パパが育児に参加できる機会が多いと言えます。ミルク育児を機に、パパに色々と仕事を振ってみてはいかがでしょうか。また、赤ちゃんを誰かに預けて外出することも可能です。育児に疲れた場合や、どうしても済まさなければならない用事がある場合は、助かります。
2点目は、腹持ちが良いことです。ミルクはタンパク質が含まれているため、母乳と比較して消化されにくくなっています。これが、腹持ちの良さにつながります。例えば、赤ちゃんがまとまって寝てくれたり、機嫌が良い時間が長くなったりする場合があります。その間に、ママが少しでも横になって休むことができるでしょう。
3点目は、栄養がまんべんなく取れることです。ミルクは、赤ちゃんに必用な栄養素をまんべんなく含むよう作られています。例えば、母乳はもともとビタミンDやビタミンKが、赤ちゃんの栄養素としては不足していると言われています。
4点目は、卒乳がスムーズになる傾向があることです。個人差があるため絶対にとは言い切れませんが、母乳と比較して卒乳がスムーズになる場合があるようです。例えば、普段哺乳瓶を使ってミルクを飲んでいるため、マグやストロー、コップ飲みへのステップアップが抵抗なく行える例が挙げられます。
5点目は、外出時のミルク場所を迷わなくて済むことです。母乳の場合、授乳室を探す必要があります。授乳ケープを使っての授乳も、気を遣うことがあります。一方でミルクの場合、比較的どの場所でも赤ちゃんにミルクを与えることができるでしょう。
ミルク育児のメリット
- 他の人の育児参加機会が増えること
- 腹持ちが良いこと
- 栄養がまんべんなく取れること
- 卒乳がスムーズになる傾向があること
- 外出時のミルク場所を迷わなくて済むこと
ミルク育児のデメリットは、免疫成分が含まれていないこと、消化されにくいこと、前後の準備が面倒なこと、費用がかさむこと、外出時の持ち物が増えることの5点です。
- 免疫成分が含まれていないこと
- 消化されにくいこと
- 前後の準備が面倒なこと
- 費用がかさむこと
- 外出時の持ち物が増えること
1点目は、免疫成分が含まれていないことです。ママの母乳には、赤ちゃんが生後6か月になる頃まで、感染症から身を守るための免疫成分が含まれていると言われています。ミルクにはこれがないので、感染症にかかってしまうリスクが比較的高いのです。
2点目は、消化されにくいことです。ミルクにはタンパク質が含まれているため、消化されにくくなっています。そのため、赤ちゃんの負担が増す恐れがあります。ミルクを与えてから3時間は、次のミルクまで時間をあけることを守りましょう。
3点目は、前後の準備が面倒なことです。ミルクを与える前は調乳、与えた後は哺乳瓶の洗浄と消毒を、毎回行う必要があります。特に夜間は、労力が増えて大変です。
4点目は、費用がかさむことです。哺乳瓶、乳首、消毒セット、粉ミルクなど、たくさんのグッズを買わなくてはなりません。これらが重なると想像以上に出費が大きくなります。
5点目は、外出時の荷物が増えることです。哺乳瓶、粉ミルク、湯冷まし、熱湯など、外に持ち出すグッズが増えてしまいます。
ミルク育児のデメリット
- 免疫成分が含まれていないこと
- 消化されにくいこと
- 前後の準備が面倒なこと
- 費用がかさむこと
- 外出時の持ち物が増えること
混合育児のメリットとデメリット
混合育児のメリットは、ミルクと母乳の両方の栄養を取れることです。ミルクには含まれておらず、母乳中に含まれている免疫成分を、赤ちゃんに与えることができるでしょう。
混合育児のメリット
- ミルクと母乳の両方の栄養を取れること
母乳育児のデメリットは、どっちつかずになってしまうこと、量が分からないこと、負担が増すことの3点です。
- どっちつかずになってしまうこと
- 量が分からないこと
- 負担が増すこと
1点目は、どっちつかずになってしまうことです。例えば、赤ちゃんがミルクで満足するため母乳が増えない、哺乳瓶に慣れてしまって母乳を嫌がる、母乳を求めて哺乳瓶を嫌がる、などの悩みが挙げられます。
2点目は、量が分からないことです。母乳をどれだけ赤ちゃんが飲んでいるか把握できないため、ミルクの量を調整するのが大変です。母乳やミルクが足りているかどうか不安で仕方がない場合も少なくありません。
3点目は、負担が増すことです。例えば、授乳による身体的な負担が増す、調乳や後片付けの負担が増すことなどが挙げられます。また、母乳量を悩むなど、精神的な負担も大きいと言えます。
混合育児のデメリット
- どっちつかずになってしまうこと
- 量が分からないこと
- 負担が増すこと
母乳育児のメリットとデメリット
母乳育児のメリットは、免疫成分が含まれていること、産後の体の回復を助けてくれること、場合によってはやせること、費用がかからないこと、手間が少ないことの6点です。
- 免疫成分が含まれていること
- 産後の体の回復を助けてくれること
- 場合によってはやせること
- 費用がかからないこと
- 手間が少ないこと
1点目は、免疫成分が含まれていることです。生後6か月頃まで、赤ちゃんの身を感染症から守ってくれる免疫成分が、母乳には含まれています。
2点目は、産後の体の回復を助けてくれることです。赤ちゃんに母乳を飲んでもらうと、刺激によってホルモンの分泌が促されます。それには、子宮の回復を早める効果があると言われているのです。
3点目は、場合によってはやせることです。母乳を与えるだけで、かなりのカロリーを消費していると言われています。そのため、個人差はありますが、母乳育児によって体重が減るという場合があるのです。
4点目は、費用がかからないことです。哺乳瓶や粉ミルクを購入するお金を準備する必要がありません。
5点目は、外出時の荷物が減ることです。ミルク育児と比較して、哺乳瓶や粉ミルクを外に持ち出す必要はありません。
6点目は、手間が少ないことです。ミルク育児と比較して、ママの体1つさえあれば、比較的少ない手間で母乳を与えることが可能です。
母乳育児のメリット
- 免疫成分が含まれていること
- 産後の体の回復を助けてくれること
- 場合によってはやせること
- 費用がかからないこと
- 手間が少ないこと
母乳育児のデメリットは、卒乳が大変な場合があること、外出時の授乳場所に気を遣うこと、人に頼めないこと、身体的な負担を伴う場合があることの4点です。
- 卒乳が大変な場合があること
- 外出時の授乳場所に気を遣うこと
- 人に頼めないこと
- 身体的な負担を伴う場合があること
1点目は、卒乳が大変な場合があることです。哺乳瓶を使用していない分、スパウト、マグ、ストロー、コップなどを使うのが難しい場合があります。また、ママのおっぱいを吸うと安心することから、なかなか母乳をやめられない子もいます。個人差がありますが、母乳の場合、卒乳が難しい場合があります。
2点目は、外出時の授乳場所に気を遣うことです。授乳室を探したり、授乳ケープを使う場所に気を遣ったりする必要があります。
3点目は、人に頼めないことです。例えば、赤ちゃんを誰かに預けて外出するということがしにくいと言えます。
4点目は、身体的な負担を伴う場合があることです。例えば、母乳を与えること自体に疲れを感じる、身体の疲労感が拭えない、などの例が挙げられます。他にも、乳腺炎などのおっぱいトラブルには、辛いものがあります。
母乳育児のデメリット
- 卒乳が大変な場合があること
- 外出時の授乳場所に気を遣うこと
- 人に頼めないこと
- 身体的な負担を伴う場合があること
赤ちゃんのミルク・混合・母乳育児の体験談
ここまで、ミルク、混合、母乳育児それぞれについて、メリットとデメリットを挙げてご説明してきました。ここからは、3つの育児をそれぞれ経験したことのある私自身の体験談をお伝えしていきます。
私の場合、我が子が生まれてすぐNICUに搬送、その後3週間入院となっていました。私は母乳を手で絞ってNICUに届け、赤ちゃんに飲んでもらっていました。次第に赤ちゃんが回復してくると、母乳の量が足りなくなったので、ミルクとの混合育児になりました。
最初は哺乳力が弱く、乳首を上手く吸えなかった我が子ですが、徐々に吸う力が増していきました。退院する頃には、普通の哺乳瓶でミルクを飲めるくらいにまで回復していました。
入院中、何度か母乳育児に挑戦してみたものの、うまくあげることができませんでした。初めての育児で、母乳の与え方が分からず、不安だったことを覚えています。
退院後は、産後ケア入院を利用して、我が子を産んだ産院で、母乳の与え方を改めて教えてもらいました。そこでなんとか、少しだけ、赤ちゃんに母乳をあげることができるようになりました。助産師さんに相談して、混合育児で進めていくことになりました。
当時、私としては、漠然と「母乳育児にしたい」という想いがありました。自分の母乳が足りていないため、混合育児になってしまったことを悩みました。
混合育児は、身体的にも精神的にも辛いものがありました。毎回「母乳やミルクは足りているのだろうか」心配になります。赤ちゃんがミルクを残した時は、「どうしてだろう」と気落ちしていました。
それでも私は努めて母乳を与えるようにしていました。赤ちゃんが頻繁に泣いても、ミルクを与えるのではなくとにかくおっぱいをくわえてもらうようにしました。そうして運よく、だんだんと母乳育児の方へシフトしていくことができたのです。少しでも出ている母乳をあきらめたくない、という想いが強かったのだと思います。
結果的に、生後6か月頃には、完全に母乳だけになっていました。大変なことは多かったですが、私は満足しています。
以上のように、私の場合、ミルク、混合、母乳それぞれに、良かったことと、そうでなかったことが両方ありました。最終的には、自分の納得いく方法で育児ができることが重要なんだと思います。しかしながら、体のことなので、全てが思い通りに行くとは限らないのが辛いところです。育児のやり方は人それぞれですが、少しでもこの記事が誰かの役に立てれば、幸いです。
まとめ
ここまで、ミルク、混合、母乳育児のそれぞれについて、メリットとデメリットをお伝えしてきました。また、私自身の体験談も軽くご紹介してきました。当ブログでは、本記事の他にも、ミルク、混合、母乳育児に関する記事を掲載していきます。是非参考にしていただければ幸いです。
- ミルク、混合、母乳育児には、それぞれにメリットとデメリットがある
- 自分の納得のいく方法を選ぶことが重要だが、思い通りにいかないこともあるため、辛い