赤ちゃんがNICUに入院すると、気がかりなことがたくさんあります。その中の1つが、退院についてです。NICUを卒業できるのは、いつ頃なのでしょうか?ここでは、NICUから退院できる時期や退院の流れ、注意したいことについて、私自身の経験をもとにお伝えしていきます。

NICUの退院はいつ?退院の目安
NICUから退院できる目安は、赤ちゃんの症状や医師の判断によって異なります。退院の目安は、「赤ちゃんがお家に帰っても大丈夫か」という観点です。これには、赤ちゃんの状態が良好なことはもちろんのこと、お母さんがきちんと赤ちゃんをお世話できるかが重要です。NICUに入院している赤ちゃんは、特別なケアや緊急時の対処が必要な場合があるからです。
一般的には、NICUからいったんGCUに移って、退院の準備をすることが多いでしょう。GCUとは、「Growing Care Unit」の略で、NICUから移動してきた赤ちゃんが継続的にケアを受ける場所のことです。GCUでは、赤ちゃんの状態にあわせて、お母さんができることが増えます。例えば、赤ちゃんについていたたくさんの管や機器が減り、抱っこや移動が楽になっています。我が子の場合は、心拍を確認するための管が1本、モニターに繋がっているのみでした。ここで、お世話の練習などを行うことが多いでしょう。
お世話の練習は具体的には、沐浴と哺乳の2つです。
- 沐浴
- 哺乳
1つ目は沐浴です。家に帰っても赤ちゃんを沐浴させられるよう、方法を学びます。GCUに設けられている沐浴槽で、やり方を学ぶことになるでしょう。
2つ目は哺乳です。直母か哺乳瓶かどちらかで、赤ちゃんにミルクを飲ませられるかどうかを、みていきます。NICUに入院していた赤ちゃんは、哺乳力が弱いことが多いため、ミルクを飲んでもらうことが困難である場合があるからです。まずは、自宅から手持ちの哺乳瓶を持ち込んで、ミルクが飲めるかどうか確認します。手持ちの哺乳瓶や乳首で問題なく哺乳ができる場合もあれば、そうでない場合もあります。難しい場合は、病院で使用されている哺乳瓶や乳首が検討されます。なぜなら、市販の物よりも柔らかくて吸いやすい作りになっているためです。このようにして試行錯誤を繰り返しながら、お母さんも赤ちゃんも、両方がミルクの哺乳に慣れていきます。
上で書いたこと以外にも、赤ちゃんによって、薬のあげ方や器具の使い方など、日々の必要なケアについて、お母さんができるようになる必要があります。こうして、GCUでのお世話の訓練を経て、お家でも問題なく過ごせると判断されれば、退院することができるでしょう。これらの訓練は、思っているよりも大変で、上手くいかないこともあります。焦らずゆっくりと習得していくようにしてください。
参考までに、我が子の場合は、GCUで約1週間、お世話になりました。沐浴や哺乳以外に、浣腸の仕方も習いました。NICUやGCU入院中の過ごし方については、別の記事にも記載しているため、是非参考にしてください。

NICU退院の流れ
NICU退院の流れは、どのようなものなのでしょうか。ここでは、我が子がGCUから退院した時の流れをご紹介しています。
退院日や時間は、ある程度病院に指定されます。退院日には自宅から、赤ちゃんの着るもの、ミルク、おむつを持参します。到着したら、最終確認が行われます。最終確認は前日までに別途時間が設けられることもあります。項目は例えば、薬の処方やホームケアについて、哺乳の方法や量、間隔について、緊急時の対応について、次回の来院予約について、などが挙げられます。病院によっては、NICUやGCUでどのように過ごしたかが記録されている、スタッフによるお世話記録がもらえることもあります。
このようにして、赤ちゃんは晴れてNICUを卒業し、お家に帰ることができます。
NICU退院後に注意したいこと
NICUからの退院は、終わりではありません。本格的な育児はこれから始まるのです。ここでは、NICU退院後に注意したいことについてお伝えしていきます。
NICU退院後に注意したいことは、頑張りすぎないようにすることです。突然赤ちゃんが家に戻って、いきなり完璧な育児をスタートできるとは限らないからです。
赤ちゃんの状態にもよりますが、NICUから退院してきたため、お世話が大変です。また、何もなくても、常に体調が気がかりで心配になります。他のお母さんとは異なり、生まれてすぐに24時間つきっきりのお世話をしていないことが大半なため、落ち込むことが多いかもしれません。このように、NICU退院後には様々な不安が入り混じって、精神が不安定になりがちです。気持ちの整理をつけること、できる所は手を抜くこと、周りに頼ることなどが重要です。それでも精神に不安を感じた時は、保健師など地域の担当者に相談し、早めに支援を受けるようにしましょう。
まとめ
ここまで、NICU退院について、私自身の経験をもとに、退院の流れや時期、注意すべきことをお伝えしてきました。NICUからの退院は、それまでも、それ以降も、大変なことばかりです。追いつめられないように、周囲の助けを借りながら、少しずつ進んでいくことをお勧めします。
- NICUから退院できる目安は、赤ちゃんの症状や医師の判断によって異なる
- 赤ちゃんがお家に帰っても大丈夫か、GCUでお世話のレクチャーを受けることが多い
- NICU退院後に注意したいことは、頑張りすぎないようにすること