NICUに入院中、赤ちゃんのミルクはどうするのでしょうか?基本的には、用意されたミルクを与えるか、お母さんの母乳を与えるかになるようです。できるだけ母乳を与えたいという人は少なくありません。ここでは、NICU入院中の母乳について、私自身の経験をもとにお伝えしていきます。

NICU入院中の赤ちゃんについて!母乳をあげるには?
NICUにいる赤ちゃんは、特別な治療を受けています。母乳を与えることはできるのでしょうか?ここでは、NICU入院中の赤ちゃんに、母乳を届ける方法をお伝えします。
赤ちゃんの状態によりますが、NICUでは、ミルクや母乳をあげています。ミルクは、病院が用意したものをあげることが多いようです。母乳は、お母さんが持参したものをスタッフに預け、随時調乳されてあげられています。口から飲むことが難しい場合は、鼻のチューブからミルクを注入します。または、綿棒にミルクを染み込ませて口に含ませることもあります。
赤ちゃんの食事は、病院で定められた一定間隔ごとに行います。食事時間をあらかじめ聞いておくことで、赤ちゃんにミルクをあげられるかもしれません。NICUのスタッフに、相談してみましょう。
お母さんの母乳には、赤ちゃんに必要な栄養がいっぱいです。また、免疫力を高める効果もあります。そのため、できれば少しでも、赤ちゃんに母乳を届けたいところです。NICUのスタッフに質問をして、母乳をあげられるか確認しましょう。NICUでは、冷凍した母乳を持ち込むことが多いです。以降に、母乳の届け方についてご紹介していきます。
NICU入院中の母乳の届け方
NICUへの出入りは、厳しく管理されています。決められた時間内に、決められた方法で入る必要があります。衛生管理が厳格なため、母乳の持ち込みにもルールがあります。NICUのルールに従って、正しく持ち込みましょう。
以下に母乳の冷凍方法と届け方をまとめたので、是非参考にしてください。
用意するもの
まずは、市販のカップと母乳のフリーザーバック、消毒セットの3点を用意します。
- カップ
- 母乳のフリーザーバック
- 消毒セット
1点目は、カップです。カップは、母乳の受け皿として使います。始めは母乳の分泌量が少ないので、手で絞ることになるからです。もしも、分泌量が多かったり、手絞りが大変だと感じたりする場合は、搾乳器を購入することをお勧めします。手で絞るよりも楽に、短時間で絞ることができるため便利です。
お勧めの商品は、メデラの物です。メデラの搾乳器は、最も多くの病院で使われていて、安心だからです。手絞りで活躍するカップも、メデラ製の物がお勧めです。
2点目は、母乳のフリーザーバックです。絞った母乳をこの袋に入れて、冷凍保存することができます。フリーザーバックは、薬局や赤ちゃん用品店で売られています。母乳の量に合わせて、サイズを調整しましょう。ピジョンかカネソンの製品が使いやすくてお勧めです。
3点目は、消毒セットです。使用済みのカップや搾乳器を消毒するのに用います。哺乳瓶を消毒するための器具を買って使うようにしましょう。
以上のように、冷凍母乳を届けるためには専用のグッズが必要です。冷凍母乳は、NICUに入院中ずっと必要になるため、使いやすい物を選ぶようにしてください。一方で、NICU退院後には冷凍母乳が必要でない可能性が高くなっています。そのため、短期間のみの使用になってしまうかもしれません。例えば、母乳のフリーザーパックは、あまり買いだめしない方が良いでしょう。もしもグッズ選びに迷ったら、産院やNICUのスタッフに聞いてみてください。私の場合は、産院に入院中、手絞りの方法を教えてもらいました。加えて、搾乳器を借りて、使用感を確認することもできました。
手順
母乳の冷凍手順は、絞る、フリーザーパックに入れる、冷凍するという流れです。
- 絞る
- フリーザーパックに入れる
- 冷凍する
1段階目は、絞る作業です。だいたい3時間おきに絞りましょう。なぜなら、赤ちゃんの食事間隔に合わせた方が良いからです。母乳は作られた分を絞って空にし、次の分が作られるように促していきます。そうすることで、徐々に分泌量が増える手助けになるかもしれません。夜も3時間ごとに起きるのは大変ですが、頑張りましょう。
2段階目は、フリーザーパックに入れる作業です。絞った母乳を袋に入れましょう。注意したいのは、袋の中に手を触れないようにすることです。これは、菌を入れないようにするためです。母乳のフリーザーパックは、袋の中に手を触れずに母乳を入れやすい構造になっているため、安心してください。母乳を入れたら、シールを剥がして、空気が入らないように、袋に封をします。名前や大体の母乳量を書く欄があるので、そちらも忘れずに記入してください。
3段階目は、冷凍する作業です。絞った母乳はすぐに冷凍庫に入れて、溶けないように保存してください。一度でも溶けてしまうと再冷凍できないため、ドアポケットなどの温度が下がりやすい場所での保管は控えてください。
こうして冷凍された母乳は、しっかり凍らせてから、NICUへ持っていきます。凍らせる時間や持ち運びの時間が定められていることもあるため注意してください。母乳は、溶けることがないよう、保冷バックの中に、保冷剤と一緒にして持ち運びましょう。
NICU退院後の母乳育児に向けて、できること
NICU退院後には、母乳育児ができるかもしれません。ここでは、母乳育児に向けてできる準備として、搾乳、食事管理、睡眠の3つをお伝えしていきます。
- 搾乳
- 食事管理
- 睡眠
1点目は、搾乳です。NICU入院中も3時間おきに搾乳を行うことで、母乳が作られるリズムを整えていきましょう。定期的に絞ることで、母乳の分泌量を上げていけるかもしれません。
2つ目は、食事管理です。母乳に良いと言われている食べ物を積極的に取るようにしましょう。また、アルコールやカフェインは控えましょう。母乳には、お母さんが食べた物が関係します。できるだけ薄味の和食を、栄養バランスを考えて、3食きちんと食べることが大切です。
3つ目は、睡眠です。よく眠って休んだ方が、母乳の分泌が良いとされているからです。夜だけでなく日中も、時間を見つけて休むようにしましょう。
NICUに入院中は、心配することが多く、母乳育児について考えることは難しいかもしれません。無理のない範囲で、体調を整えるようにすることがお勧めです。
まとめ
ここまで、NICU入院中の母乳について、届け方をお伝えしてきました。我が子と離れていても、母乳育児をすることはできます。退院後も続けられるよう、準備をしていきましょう。
- NICUには、赤ちゃんの状態によって、冷凍母乳を持ち込むことができる
- 母乳の冷凍には、カップ、母乳のフリーザーバック、消毒セットの3点を用意する必要がある
- 搾乳、食事管理、睡眠をしっかり行って、母乳育児に備えることがお勧め